
Jリーグは中断期間に入っていますが、槙野智章選手の所属する浦和レッドダイヤモンズは、2018年限りで引退したレジェンド・平川忠亮コーチの引退試合を22日に実施。槙野選手もレジェンド側のチームでプレー。大先輩を力強く送り出しました。
8月9日からは後半戦がスタートしますが、そちらに向けて力を蓄えるのと同時に、投資についても再度、整理しておきたいところ。今回は半年間続いた連載の最終回として、株を買う目的を明確化することの大切さを改めて学びます。
半年間の連載で槙野選手が抱いた疑問
――平川コーチの引退試合が行われましたが、元選手やスタッフなど多くの人々と久しぶりに旧交を温めて、感じたこともあったのではないですか。
槙野:自分も34歳になりましたけど、いろんな仲間の支えがあってここまで来られたんだなとしみじみ感じました。今はレッズでもキャプテンマークをつけることが多くて、フィールドプレーヤー最年長という試合も少なくありません。だからこそ、より周りのことを見ながらプレーしています。
以前は自分自身が最優先で、自分のプレーに気がいっていることが多かったですが、今は「みんなのために何ができるか」をつねに意識しています。そういう姿勢が大切ですよね。
――槙野選手は2010年1月のイエメン戦(サヌア)で日本代表デビューを飾った22歳の頃からチームメートに気を配るタイプでしたよ。
槙野:そうですかね(笑)。確かにあの時は吉田麻也(サンプドリア)や乾貴士たちがいる中、キャプテンマークを巻かせてもらって、記者会見にも出ましたからね。
当時のフレッシュさとアグレッシブさは今も持ち続けているつもりですが、ベテランにはベテランなりの振舞い方というのがある。それは考えて行動しているつもりだし、これから若手にもっと伝えていきたいですね。
――さて、この連載も最終回になってしまいました。今回はまとめとして、株を買う目的を、会社四季報オンラインの猪澤顕明編集長とファイナンシャルプランナーの高橋成壽さんとともに考えていきたいと思います。
槙野:猪澤さん、高橋さん、よろしくお願いします。
猪澤・高橋:こちらこそ、よろしくお願いします。
槙野:株式投資の勉強を半年間してきましたが、1つ疑問があります。僕のような現役アスリートは相場変動に逐一、反応して株の売買をするというのが困難なので、いったん買い付けた場合は長期間持ち続けることになると思うのですが、そういう考え方は問題ないんでしょうか。
高橋:例えば、槙野選手が以前から注目しているオリエンタルランド(4661)を見てみると、過去5年間は株価が右肩上がりで推移しています。コロナが流行した2020~2021年にかけては大幅変動もありましたが、2017年水準に比べると2倍以上になっている。そういう銘柄でしたら長期間の保有は悪くないと感じます。
ただし、株価というのはいつ何時、暴落するかわからないところがあります。証券口座にはインターネット専業証券と対面型証券の2つがあるというお話を前回しました。前者ですと相場情報をつねに自分でチェックし、下落しそうな時には売るといったアクションが求められます。その反面、後者だと担当者が電話で情報を教えてくれます。そこは大きなメリットですね。
株式投資の楽しみ方は値上がり益だけではない
――対面型証券は連絡手段が基本的に電話なので、練習や試合で多忙だったり、海外遠征に出ている時には受けられず、タイミングを逃してしまうおそれがありますね。
槙野:そうなんですね。僕みたいにあちこち行く人は困りますね。ただ、アドバイスはもらえたほうがいいですね。
猪澤:株を買う目的が株価の値上がりによる利益ということなら、市況の情報を迅速に得られる環境は重要だと思います。でも、株式投資のメリットは値上がり益だけではないんですよね。
槙野:配当や株主優待がありましたね。
猪澤:そうです。以前、ご説明した会社四季報オンラインに掲載している指標にも「予想配当利回り」という項目があります。それが一定水準以上を維持していれば、保有し続けたほうがいいという考え方もあります。
オリエンタルランドは7月21日時点で0.16%ですから、あまりうま味がない。以前注目した銘柄の中だと、丸紅(8002)は3.64%ですから悪くない投資先だと思います。
高橋:株主優待は鉄道会社や航空会社の株を一定以上買えばついてきます。槙野選手は前々からANAホールディングス(9202)に注目されていますが、100株以上を持っていれば国内線の割引搭乗やANAグループ各社・提携ホテルで利用できる優待があります。そこを重視するなら投資して、長期間保有するのも一案だと思います。
槙野:それはいいですね。JRグループや航空会社は公共性が高い分、倒産もないでしょうし。
高橋:いえ、航空会社といっても絶対に経営破綻しないというわけではないんです。実際、日本航空(9201)は2010年1月に会社更生法の手続き申請をして、経営再建の道を歩みましたからね。その時は株式の価値がゼロになり、損益を被った投資家もいました。
今もコロナ禍から回復基調にはありますが、業績が黒字転換するのは2023年3月期決算以降という予想で、まだまだ時間がかかりそうです。ただ、株価はコロナ禍前に比べて下がっていますから、買うこと自体はハードルが低いかもしれません。いずれにしても、しっかりと経営状況を把握してから一歩を踏み出すことをお勧めします。
売買のタイミングはどうすればわかる?
槙野:やっぱり誰か近くでアドバイスしてくれる人が必要ですね(笑)。
猪澤:値上がり益を狙う場合のポイントは、安く買って高く売ること。でも、株価が一番安い時・高い時というのはプロでも判断ができません。そうなると次善策は、これ以上値下がりしないタイミングで買って、ここからさらに値上がりすることが見込みにくいタイミングで売ること。
その判断の一助となるのが、以前ご紹介した「テクニカル分析」です。値動きの“クセ”を把握できれば、ベストではなくても、ベターな売買判断ができる可能性は高まります。
槙野:わかりました。僕が今、やるべきなのは、インターネット専業証券か対面型証券のいずれかで証券口座を開設し、相場が大きく下がったタイミングで「これ」という銘柄を買い付けることですね。ここまで得た知識を駆使して、これから本腰を入れて投資に踏み出したいと思います。
猪澤・高橋:ぜひとも頑張ってください。応援しています。
サッカーは日々の練習の成果を試合でいかに発揮するかが肝心。それは株式投資も同様です。ここまでの半年間にわたって学習してきた知識を駆使して、槙野選手がどのようなアプローチに出るのか。その成果が今から楽しみです。
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